裾野市にある「景ヶ島渓谷」と「屏風岩」が12月、第13回静岡県景観賞の優秀賞を受賞した。
主催の「美しいしずおか景観推進協議会」は1988(昭和63)年度に「静岡県都市景観賞」を設け、優れた都市景観を創出している地区などを表彰してきた。同賞は2008(平成20)年度に賞の名前を「静岡県景観賞」に改め、田園や農山漁村などにも表彰対象を拡大して実施している。
受賞地区の「景ヶ島渓谷」は市指定名勝地で愛鷹火山の集塊岩や富士溶岩流が浸食された奇景に富む渓谷。岩には神楽岩、牛潜岩(うしくぐりいわ)などの名前が付けられている。渓谷内にかかる橋の先には島があり弘法大師ゆかりの依京寺がある。
「屏風岩」は景ヶ島渓谷の下流に位置する景勝地で1991(平成3)年に静岡県指定天然記念物に指定されている。富士山の噴火によるマグマが冷える際に収縮してできる柱状節理が高さ約10メートル、幅約70メートルにわたって露出している。
受賞者はボランティアで景観形成活動を行っている「リバーフレンド富岡」。2012(平成24)年6月に静岡県の河川美化制度「リバーフレンドシップ事業」に参加し活動を始めた。約35人のメンバーが景ヶ島渓谷や屏風岩付近の草木の伐採を行うほか、景ヶ島交差点に隣接するポケットパークで草刈り・ごみ拾い・樹木のせん定などを行う。
裾野市では平成4年度に行われた第5回静岡県景観賞の優秀賞に「裾野市民文化センターが」選ばれており、今回で2度目の受賞となる。
担当者は「溶岩流に侵食され丸みを帯びた岩肌や奇岩が点在し、美しい渓流の風景を作り上げる景ヶ島渓谷や、柱状節理を間近に見ることができ大変迫力がある屏風岩は水面に反射する風景も綺麗。柱状節理は火山活動の地質・鉱物学的な価値があり学習の場としても価値がある」と魅力を話す。「ボランティアでやってきたことなので、県の景観賞を受賞したことは大変励みになる、これからも景ヶ島渓谷と屏風岩の素晴らしい景観が保たれるように、清掃活動を続けていきたいと思う」とも。