「キリンディスティラリー御殿場工場」が12月4日、「御殿場モルトウイスキー」の製造を始めた。

御殿場産大麦

　「御殿場モルトウイスキー」は、今年で操業50周年を迎えた同施設の挑戦として、御殿場の富士伏流水と休耕田を活用し育てた大麦を使う。

　工場では同日、「御殿場モルトウイスキー」の原料となる御殿場産大麦の長期購入契約調印式と、ウイスキーの蒸留液「ニューメイク」のたる詰め式を行った。

　たる詰めしたニューメイクは熟成を重ねて、2028年以降に一部ブレンドに使い製品化する予定。2031年以降には、御殿場産大麦100%モルトウイスキーの販売を予定する。

　キリンディスティラリー（御殿場市）の押田明成社長は「調印式＆たる詰め」式で「50年間御殿場で事業を続けてこられたことへの感謝を『御殿場モルトウイスキー』製造という新たな取り組みの形で表すとともに、御殿場で造られたウイスキーの魅力を国内はもちろん、さらに世界に発信していきたい」と意気込む。

　同社洋酒生産部の藤井聖さんは「御殿場産の大麦麦芽を使ったウイスキー造りは、当社にとって初めての取り組み。ニューメイクは富士の麓の綺麗な空気と温かい日差しで育まれた、御殿場産大麦の柔らかく繊細な味わいが特長。当社の品質ポリシー『クリーン＆エステリー』を表現できるこの蒸留液は、ゆっくりと熟成させて最もおいしいタイミングでお客さまへご提供できるようにしたい。最低でも5年以上は熟成させる」と話す。