プレスリリース

【2つの展覧会を同時開催】「Keith Haring: Arching Lines 人をつなぐアーチ」展、「北川原温 時間と空間の星座」展

リリース発行企業:株式会社アルテミス

情報提供:

 中村キース・ヘリング美術館(山梨県・小淵沢)は、このたび2つの展覧会を同時開催します。「Keith Haring: Arching Lines 人をつなぐアーチ」展では、新収蔵作品である全長5メートルを超える彫刻《無題(アーチ状の黄色いフィギュア)》をメインにヘリングの彫刻作品に焦点を当て、「北川原温 時間と空間の星座」展では、当館を設計した建築家・北川原温の模型やドローイングなどの資料を通じて建築家独自の美学と設計哲学を紹介します。
(期間:いずれも2025年6月7日[土]から2026年5月17日[日])





 没後35年を経た今も世界中で愛されるキース・ヘリング(1958-1990)。「Keith Haring: Arching Lines 人をつなぐアーチ」では、当館が新たに収蔵した全長5メートル超の彫刻《無題(アーチ状の黄色いフィギュア)》を切り口に、ヘリングの彫刻に焦点を当てます。
 1980年代初頭、ヘリングは地下鉄の広告板にチョークで描く「サブウェイ・ドローイング」でアートと社会のつながりを探求し、世界各地での壁画制作や「ポップショップ」を通じて多くの人々とアートを共有しました。1985年からは彫刻の制作を開始し、1987年には「ミュンスター彫刻プロジェクト」にも出品。描いた線がそのまま三次元化されたような彫刻は、空間を驚きと楽しさに満ちた場へと変容させ、壁画や絵画のように作品を観る「鑑賞」から、作品に触れ体感する「体験」へとアートの楽しみ方を広げ、アートと社会のつながりをさらに強めました。本展では、彫刻を軸に多岐に渡る活動を辿りながら、没後35年を経た現在でも日常に溶け込むヘリングのアートの背景にある造形表現や哲学を紹介します。

 同時開催の「北川原温 時間と空間の星座」は、中村キース・ヘリング美術館を設計した建築家・北川原温(1951-)の美術館における初個展です。北川原氏は、渋谷の映画館ライズ(1986)で都市の虚構性を建築に表現し、その後も独創的な建築を生み出し続け注目を集めてきました。 
 本展では北川原氏の創作のソースを「星」、建築を「星座」に見立て、その方法論や生成の過程を探ります。中村キース・ヘリング美術館を構成する6つの要素「さかしまの円錐」「闇」「ジャイアントフレーム」「自然」「希望」「衝突する壁」を軸に、模型や資料を通じて建築のプロセスを紹介。さらに、隣接するホテルキーフォレスト北杜では五感を通じた体験型の展示、JR小淵沢駅では八ヶ岳山麓のプロジェクトと地域の魅力を紹介します。本展を通じて、中村キース・ヘリング美術館をはじめとした北川原建築を歩むことにより北川原氏の「宇宙」に迫る体験を提供します。

「Keith Haring: Arching Lines 人をつなぐアーチ」展 3つの見どころ
1. 新収蔵の大型彫刻を本邦初公開 1985年に制作された彫刻《無題(アーチ状の黄色いフィギュア)》は、ヘリングの彫刻制作の出発点となった作品のひとつです。ロバート・インディアナやドナルド・ジャッドなど、名だたるアーティストたちへ彫刻制作の場と技術を提供した米国の鋳造所「リッピンコット社」において、ヘリングは本作を含む自身初となる彫刻群を制作しました。
 エディションの制作されなかったこの作品は世界にただ一つしか存在せず、これまで公開の機会が限られてきた貴重なものです。ヘリングの遺志を受け継ぐ当館では、今回の収蔵を契機に屋外空間での常設展示を行い、ヘリングが目指した「社会の架け橋としてのアート」を実現します。





2. 線、面、立体と異なる次元で展開される造形表現に着目
へリングの描く太く均一な線は、一目で作者が分かる特徴的な描画だけでなく、人生をかけて絵を描き続けたヘリング自身の象徴ともいえます。本展では、線から面へ、そして立体へと発展していくへリングの造形表現に着目します。《グローイング 5》(1988年)や《無題(踊る3人のフィギュア Bバージョン)》(1989年)など、平面作品と立体作品を並置することで、異なる次元においても一貫した表現の追求や、素材の特性に合わせた造形など、ヘリングの表現を探求します。

《グローイング 5》1988年

《無題(踊る3人のフィギュア Bバージョン)》1989年


「ロング・アイランド・フォーカス・オン・アート 1988」、1988年
3. アートと社会を繋げるための多岐に渡るプロジェクトを紹介「サブウェイ・ドローイング」で一躍知られることとなったヘリングは、アートによる大衆とのコミュニケーションの可能性を確信します。その後世界各地を飛び回りながら、人権問題や「エイズ」予防啓発、反戦・反核などを訴える社会的なメッセージを込めた作品制作にも取り組みました。
 こうした社会活動の中でも特筆すべきは、子どもたちのための作品やプロジェクトの数々です。ニューヨークのクイーンズ地区の子ども病院へ彫刻を寄贈するプロジェクト「ロング・アイランド・フォーカス・オン・アート 1988」のように、ヘリングは毎年各地の学校や病院へ作品を寄贈、教育的なワークショップを実施するなど子どもたちとの関わりを生涯大切にしました。本展ではこうしたプロジェクトを、今回キース・ヘリング財団から寄贈を受け新収蔵するポスターや写真、映像資料を通じて紹介します。



「北川原温展 時間と空間の星座」展 3つの見どころ
1. 建築家・北川原温の「内宇宙」を未公開資料とともに体験するインスタレーション
1978年の「ナジャの家」で建築家としてデビューし、1986年の「ライズ」で国際的な地位を得た北川原温氏はポストモダンの建築家の1人として知られてきました。北川原温氏はデビュー以来、一貫して個人の作家性を重視し、自身の創作について固定化された方法論を語らず、それぞれの建築にもたらされる物語性を重視して創作を続けてきました。
本展では、まるで星空の中に物語を見出し星を繋いで星座を描くように生み出されていく北川原氏の建築のプロセスを、記憶や文学、詩、哲学、自然科学、美術などさまざまな要素から物語を生み出すように建築を生み出す、北川原氏の独自性を探求します。
中村キース・ヘリング美術館の展示室では、これまで公開されることのなかった幼少期に集めた蝶の標本、長年にわたって描き続けたドローイング、建築模型、影響を受けた書籍などを、北川原氏が影響を受けたステファヌ・マラルメの散文詩のようにひとつの「空間」の中に漂うインスタレーションとして表現します。中村キース・ヘリング美術館という「星座」を描く北川原氏の思考の軌跡が浮かび上がり、北川原氏自身が旅する「内宇宙」を体感し、この空間でしか体験できないイメージを結ぶことができるでしょう。

ヴィラ・マラルメ、制作年不詳 

アリアドローイング、制作年不詳

マラルメの庭と家(部分)、制作年不詳

蝶の標本箱、1950年代

2. 中村キース・ヘリング美術館が生み出された軌跡を初公開資料を含むドローイングや貴重な手稿の数々によって紐解く

中村キース・ヘリング美術館ドローイング、2000年代



中村キース・ヘリング美術館は2004年から3年をかけて館長・中村和男との対話の中で大きく姿を変えながら生み出されました。本展では、北川原温氏が構想を練る中で描き続けた未公開のドローイングや、インスピレーションを書き溜めたノートの手稿、重ねられるスタディの数々を「時間軸」に沿って紹介します。それらの資料から、美術館が生まれるまでの過程を追体験できます。
どのようにして「星座を描く」ように建築が組み上げられていったのか、構想がどのように形になっていったのか、その思考のプロセスを紐解きます。
3. 北杜市に点在する3つの北川原建築を結び、八ヶ岳南麓における創作活動を辿る
山梨県北杜市は日本有数の自然景観を誇る地であり、建築家・北川原温氏の作品が 6つ集中する唯一の場所です。それら6つの建築はどれも八ヶ岳の火山地形、豊かな森と水、縄文文化や馬の文化など八ヶ岳南麓の環境と深く結びついており、小淵沢駅周辺を題材に東京藝術大学の学生とプロジェクト制作を行うなど長年この地域に関わってきた北川原氏が、それらをどのように結びつけて個性が異なる建築を作り上げたのかを3つの建築を通して体感できます。
ホテルキーフォレスト北杜では小淵沢と関連するプロジェクトの模型や資料、写真家と北川原建築とのコラボレーション作品も展示。また、ホテルロビーと中村ウィスキーサルーンでは北川原氏が創作のインスピレーションを得ている音楽や香り、味といった日常の身体感覚を体験できる企画を行います。小淵沢駅では、特徴的な窓で八ヶ岳の山岳景観を効果的に見せている交流スペースを会場に、北杜市に点在する北川原建築の魅力を紹介する展示を開催します。

ホテルキーフォレスト北杜、2015年竣工 

小淵沢駅舎・駅前広場、2018年竣工

北川原温プロフィール


建築家。1951年長野県千曲市出身、飯田高校から東京芸術大学へ。
グッドデザイン賞金賞を受賞した山梨県の工業団地アリアの都市計画・ランドスケープ・建築のトータルデザイン、3.11東日本大震災で福島県最大の避難場所となった国際コンベンションホール・ビッグパレットふくしまなど、公・民問わず多くの設計に携わる。2019年3月まで母校の東京芸術大学で教鞭を執り、学生達とともに「劇場型都市計画」などの研究に従事。
日本建築学会賞、村野藤吾賞、日本建築大賞、日本芸術院賞、米国建築家協会ジャパンデザイン賞など数々の賞を受賞。模型やドローイングなど27点がパリのポンピドゥーセンター(仏国立近代美術館)に収蔵されている。北川原温建築都市研究所主宰。東京芸術大学名誉教授。



<中村キース・ヘリング美術館 建築賞受賞歴>
2007 山梨県建築文化賞受賞
2008 アメリカ建築家協会優秀賞受賞、村野藤吾賞受賞
2009 JIA日本建築大賞受賞
2010 日本藝術院賞(建築)受賞
2016 山梨建築文化賞受賞、アメリカン・アーキテクチャー・マスタープライズ(ホスピタリティ部門)金賞受賞

開催概要



中村キース・ヘリング美術館基本情報

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