富士吉田市が5月1日、富士山の山肌に鳥の模様が現れる「農鳥(のうとり)」が確認されたと発表した。
富士山7、8合目の標高3000メートル付近に毎年4月下旬から5月に観測される鳥の形状をした残雪で歴史は古く、1814年に刊行された「甲斐国志」に記録されている。富士山周辺の地域では、農鳥が農作業の開始の合図として知られている。
通常は5月中旬ごろに観測されるが1996(平成4)年から毎年観測結果を発表している同市富士山課の勝俣美香課長は「今年は平均よりも10日ほど早い観測となった。標高の高い富士吉田市は通常より春の訪れが1週間から半月ほど遅くなる。農鳥が観測されたのは、富士に新緑のさわやかな季節が訪れた証。ぜひ富士周辺に足を運んでほしい」と呼びかける