富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市)の秋の例大祭の付け祭りとして位置付けられる「富士宮まつり」が11月3日~5日、浅間大社や浅間大社周辺で開催される。
浅間大社の秋季例祭に氏子町内が祭り囃子(ばやし)をはやしながら山車や屋台を引き回し、収穫と無事を感謝する祭り。浅間大社周辺の町内20区が実施し、毎年約8万人が訪れる。
見どころとなるのは山車・屋台の競り合い。本来はすれ違うのもままならない狭い道で、どちらが道を譲るかを囃子で競った。負けた組は山車・屋台を引き下げて道を譲り、勝った組は「昇殿」という囃子の曲目をはやしながら山車・屋台を進めたといわれている。現在では事前に取り決めを行い、礼節を重んじた競り合いが行われる。各区の山車・屋台をお互いにギリギリまで近づけ演奏する様は、別名けんか囃子ともいわれる。
この祭りではやされる「富士宮囃子」は1966(昭和41)年に富士宮市指定無形文化財に指定され、1995(平成7)年には静岡県指定無形民俗文化財に指定されている。
3日は修祓(しゅうばつ)、玉串奉奠(ほうてん)、奉納囃子を行い、御幣を受領する「宮参り」を実施。その後山車・屋台の引き回し、競り合いが行われる。初日は21時まで競り合いが行われ「宵宮」と呼ばれる。4日は祭典実施20区の山車・屋台が勢ぞろいし、一斉のお囃子が行われる「本宮」。5日は各区で山車・屋台の引き回し、競り合い・踊りが行われる。
担当者は「本宮における20区勢ぞろいの一斉囃子は圧巻」と話す。
開催時間は3日=9時~21時、4日=8時~21時、5日=9時~20時30分。