富士山の吉田ルート(山梨県)が7月1日、開山する。
富士山安全指導センター運営協議会が6月29日、登下山道の最終的な調査を実施。関係機関によるパトロールで残雪状況や施設の破損状況の確認が行われ残雪が見られないことから、7月1日0時に5合目から山頂までの登山道の冬季閉鎖の解除を決めた。
8合目から始まる下山道についても残雪がほとんど見られなかったため、案内表示板の設置や路面整正を行い、同日、冬季閉鎖を解除する。7月1日~10日の山頂から8合目までの下山道は、須走ルートと共有していることから引き続き閉鎖。この間は吉田ルートの登山道を上りと下りで共用する。
山頂のトイレは7月9日まで使用できないことから、昨年と同じく5合目で簡易トイレを配布する。
今年の冬季閉鎖期間中は、6合目の安全指導センター付近で大きな雪崩があり、土木や登山道施設が流されるなどしたため、復旧作業が大変だったという。開山後も定期的なパトロールを行い、補修が必要な箇所発見した際には随時補修を行う予定。
山梨県世界遺産富士山課、山岳整備担当の渡辺さんは「開山に向けての整備は整った。安全には十分注意して事故のないように登ってほしい。保全協力金は富士山の安全対策などに使われるので、ぜひご協力いただきたい。今年から、協力していただけた方に渡す記念品が木札になった。良い出来なので手に取っていただければ」と呼び掛ける。
富士山保全協力金(入山料)の協力者に渡される記念品の「木札」は、県内の優待を実施している施設で提示すると施設入館料の割引のほか、グッズのプレゼントなどの特典が受けられる。
静岡県側の3つの登山道は7月10日開山予定。閉山は全ルート9月10日を予定。木札の優待期間は7月1日~来年3月31日。詳しくは山梨県のホームページなどで確認できる。