山梨県は「富士山保全協力金」(入山料)の協力者に対し、吉田口登山ルートで配布する今年の記念品を「木札」にした。
富士山の5合目から山頂を目指す登山者を対象に2014年夏から本格導入された富士山保全協力金。協力者に対し記念品として「富士山保全協力者証」を配布している。昨年までは山梨・静岡両県の4登山道全てで、各登山道の「表示色」を縁取った缶バッジを配布していた。
新たに配布する木札の富士山保全協力者証は、縦5.5センチ・横4.5センチ・厚さ0.5センチ。木材は富士山の間伐材(アカマツ)を使う。デザインは、江戸時代に富士講行者の行衣に刷られていた「歴史ある」絵柄を採用。裏面は図柄がなく、登山の思い出を記したり記念スタンプなどを押印したりできる。吉田・河口湖ルートの「表示色」である黄色のひもを付け、衣服やザックに付けることができるようにした。
昨年までの協力金の実績が伸び悩む中、県では「記念品も魅力的なものにしたらどうか」という声もあったという。安全対策や環境保全をはじめ、世界文化遺産となった理由や文化的な価値を登山者に知ってもらいたいとの思いもあり、木札を導入したという。
山梨県世界遺産富士山課の笠井さんは「集まった協力金は、富士山の環境保全や登山者の安全対策などに使われる。富士山の環境が守られ安全に登山できるようにという気持ちで協力金をお支払いいただきたい。事前に富士山の文化的価値を知っていただけた上で、登山していただければ」と呼び掛ける。
協力金の金額は、基本1人1,000円。受付期間は、現地(富士スバルライン5合目・吉田口6合目・県立富士北麓駐車場)=7月1日~9月10日、インターネット・コンビニエンスストア=6月1日~9月10日。インターネット・コンビニエンスストアで支払った場合、支払時に発行された仮の領収書を現地に持って行くと、木札と正式な領収書を受け取ることができる。