河口湖美術館(山梨県富士河口湖町)で現在、「第16回富士山写真大賞展」が開催されている。主催は富士河口湖町、富士河口湖町教育委員会と同館。
「富士山写真大賞」に入選した50点を展示する同展。さまざまなポイントから見た富士山そのものを撮影した風景写真のほか、富士山に関係のある写真であれば全てが選考対象となっている。1999年度から毎年開催しており、今回は373人から1224点の応募があった。
最高賞・金賞は天野佳生さん(山梨県)の「ベビーゴースト」(撮影地は忍野村)、準最高賞・銀賞は大橋昇さん(千葉県)の「爽秋の湖畔」(撮影地は河口湖)、第3位・銅賞は加藤曻さん(静岡県)の「秋光」(撮影地は朝霧高原)が、それぞれ受賞した。
最高賞金賞作品について、審査員で写真家の三宅修さんは「写真家のイマジネーションの豊かさが千変万化する流雲の一瞬の姿を的確に捉え、夜空を流れゆく幼児の霊と笠雲をかぶった富士山との対比という、ちょっとオカルトじみた雰囲気で、見る者の心を捉えてしまう。この際大切なのは大きく浮かぶ『ベビーゴースト』の雲と対象的に小さくなっている巨(おお)きな富士山との対比。ユーモアを含んだ作者の優しいまなざしと夜空での劇を的確に描く撮影技術の確かさが生み出した物語のある作品」とコメントを寄せている。
3月29日まで。開館時間は9時30分~16時30分。火曜休館。入館料は、一般・大学生=800円、高校生・中学生=500円。