静岡県富士市・吉原商店街の遊休ビルをリノベーションした宿泊施設 Arcade Hotel(アーケードホテル) は、2024年7月の開業から間もなく1周年を迎えます。運営は 富士山まちづくり株式会社(所在地:静岡県富士市吉原2?11?8、代表取締役:佐野荘一)。商店街全体を「ひとつの宿」と見立て、地域店舗と連携する“まちやど”として商店街再生と魅力発信に取り組んできました。
1周年を記念し、富士山のある日常をじっくり堪能できる 平日2泊以上限定プラン「富士山と過ごす日常プラン」 を販売します(販売期間:2025年7月1日~7月31日、料金:ダブル7,000円~/ツイン8,500円~)。
吉原商店街とは
東京駅から車で約120分。静岡県富士市吉原は、1600年頃から東海道の宿場町であり、富士登山の玄関口でもある「吉原宿」として栄えてきました。その歴史は、全長約700メートルにおよぶ吉原商店街に今も息づいています。老舗の生鮮店や和菓子店、生活雑貨店が軒を連ねる一方、2015年以降には個性派の新店が続々登場し、昔と今の魅力が混在するアーケード街です。
吉原商店街
富士山の南麓に位置するこのまちでは、いたるところで雄大な富士山が視界に飛び込んできます。
富士山から流れ出る湧水が市内の小川に流れ込み、これ以上ないほど透き通った水を眺めているだけで心が癒される。近隣には製紙工場や自動車部品工場が多いため、外国人労働者が多く国際色も豊か。夕暮れ後は居酒屋、バー、割烹などの灯りがともり、振り返ると富士山が見守っている。そんな「ここにしかない」日常が吉原にはあります。
宿泊者限定で開放される屋上テラスから見る富士山
Arcade Hotel 誕生の背景
吉原商店街は近年、新規出店こそ増えているものの、高齢化や後継者不足による閉店、来街者の減少など、全国の商店街と同じ課題に直面しています。老舗の生鮮店や和菓子店、地元に愛される居酒屋など魅力に溢れる店舗の数々、まちに鎮座する富士山、気さくで面倒見のいいまちの人々まで、この商店街が育むほのぼのとした日常の魅力をもっと地域外まで広げることはできないだろうか?
そこで私たちが選んだ解決策が、「滞在」という仕組みを持ち込むことでした。10年ほど遊休化していたビル一棟をリノベーションし、アーケード商店街を丸ごと楽しむ拠点として Arcade Hotel を開業。宿泊機能なら、通常は活用が難しい2階以上のフロアも有効利用でき、建物全体の再生につながります。
Before
After
ホテルはレセプション兼バーラウンジと客室だけのミニマルな構成です。レストランは設けず、朝食・夕食は周辺飲食店をご案内することで、商店街全体をレストランに見立てました。こうして宿場町として賑わった吉原のエッセンスを現代に呼び戻し、まち全体をひとつの宿として体験できるようにしています。
Arcade Hotel は吉原の玄関口であり、まちのコンシェルジュです。宿泊者と商店街、人と人をつなぎながら、吉原のほのぼのとした日常を外へ広げる役割を担っていきます。
Arcade Hotel から地域の飲食店やアクティビティへとつなぐ“まちやど”
建築デザインの見どころ
アーケードを歩いていると、居酒屋や雑貨店の並びに突如現れる真っ白なファサード。その中央にある AH のロゴが Arcade Hotel の目印です。
ガラス扉を開けると、むき出しのコンクリート壁とモルタルのカウンターが迎え、奥には緑の植栽に囲まれた石蔵が視線を誘います。客室やラウンジに点在する紙管製の家具は、地元の製紙工場から取り寄せた紙管を利用したオリジナル製品で、まちの産業とデザインを結びつけるアクセントになっています。
デザインテーマは 「清と濁のコントラスト」。富士山と湧水に象徴される“清”と、夜のネオンや商業のエネルギーが漂う“濁”を同居させ、吉原というまちの二面性を建築に落とし込みました。白壁、大開口ガラス、中庭の緑といった“清”と、コンクリート剥き出しの質感、モルタルかけおとしのカウンターといった“濁”。ホテル内に混在する「清と濁」を体感してください。
レセプション兼カフェ&バー
裏庭と石蔵
紙管のオリジナル家具「Placemaking Kit」
また、今回のリノベーションでは、商店街の建築に対して新たな提案をしています。商店街の建物は間口が狭く奥に深いため、緑が少なく閉ざされた印象がありますが、このホテルでは正面と裏庭を全面ガラス張りにして視線が抜ける開放感を創出。営業時間中は表通りと裏通りを通り抜けられ、まち歩きの回遊性を高めています。
裏通りには宿場町の名残を感じる路地や古社、地元に愛される飲食店が点在。ホテルを起点に、吉原の“表”と“裏”を行き来する新しい導線が生まれました。
ラウンジから裏庭を見る
ツイン マウンテンビュー
ダブル シティビュー
開業1年間の実績
2024年8月のグランドオープン以来、約600名が宿泊し、外国人と日本人の比率は おおむね 50:50 でした。
・外国人旅行者:欧米の個人観光客が中心で、東京~大阪間の中継地として連泊利用が多い。
・日本人旅行者:20~30代の女子旅やカップルが主流。富士山とレトロなまち並みを撮影するフォトウォークが人気のほか、ワーケーション利用も増加中。
この1年で周辺店舗からは「若い客層が増えた」「客層が多様になった」といった声が寄せられています。「Arcade Hotel から来ました」という一言をきっかけに、観光客とお店の店主や常連さんとの会話が始まることも。宿泊とまち歩きが相乗効果を生み、少しづつ商店街に変化をもたらしています。
外国人旅行者に人気。ミニキッチン付きスイート
滞在の楽しみ方 3選
Arcade Hotel のスタッフや宿泊者のみなさんの声を参考に、滞在中の楽しみ方を3つ提案します。
1.富士山を“日常の違和感”として味わう
まちを歩いていると、ビルの狭間や信号待ちの向こうに突然、富士山があらわれます。その圧倒的な存在感と日常風景とのコントラストによる違和感。そして何度見ても新鮮に感じられるのが、富士山が持つ威力です。
宿泊者限定で開放している屋上テラスは、富士山を真正面に望む特等席。椅子と飲み物を持ち出して、ゆったり山肌を眺めるのもおすすめです。時間帯や場所、天気によって刻々と表情が変っていくので、その風景は一期一会。滞在中にあなたのベスト富士山を探してみてください。
なお、Arcade Hotel から富士山の麓にある「富士山本宮浅間大社」や「村山神社」「静岡県富士山世界遺産センター」へは公共交通機関を乗り継いで1時間ほどで訪れることができます。
2.商店街周辺を散策する
チェックイン時にお渡しする オリジナルまち歩きMAPを片手に、アーケードを探検。お好みやその日のご気分をお聞かせいただければ、Arcade Hotel のスタッフがおすすめの飲食店へとご案内します。
商店街には気さくな人が多く、居酒屋やバーの暖簾をくぐれば初対面でもウェルカムな空気感に包まれます。公式サイトの「おじさん図鑑」では、老舗や名店に立つチャーミングな店主を紹介中。気になるお店には、ぜひ勇気を出して入ってみてください。
3.海・山・川をつなぐ“水の旅”に出る
富士・愛鷹山系の地下水が湧き出す吉原は、澄んだ水が自慢。徒歩10分にある法雲寺(通称:わきみず寺) では、まろやかな湧水を味わえます。
レンタサイクルで漁港へ足を伸ばして海鮮を堪能したり、湧水ポイントを巡るツーリングもおすすめ。海・山・川が地形でつながる富士市ならではの体験です。
今後は、サップでの川下り、茶畑ツアー、商店街ガイドウォークなど、ローカルを深掘りするプログラムを順次展開予定。
また、ホテル1階のカウンターは、宿泊者以外も利用できるカフェ&バーとしても営業しています。近隣焙煎所のコーヒー、名物の静岡茶、地酒やクラフトビールをそろえ、観光客と地元客のクロスポイントとなることを目指しています。
1周年記念「富士山と過ごす日常プラン」を販売
Arcade Hotel の開業1周年を記念して、7月1日~7月31日に特別プランを販売します。
テーマは「富士山と共に過ごす」。この富士市吉原のまちに住み、富士山の近くに身を置いてみる。平日限定で2泊からご宿泊いただけるプランなので、ワーケーションにもぴったりです。富士山と働き、富士山と眠り、富士山と歩く。そんなこの街の日常。この機会にぜひ体験してみてください。
<開業記念:富士山と過ごす日常プラン>
・宿泊期間:2025年7月1日(火)~2025年7月31日(木)
・料金:ダブル 1名様 7,000円(税込)~
ツイン 1名様 8,500円(税込)~
・予約方法 :2025年6月15日(日)から下記URLにて受付開始
URL https://arcadehotel.jp/
・問い合せ先:arcadehotel.mtfuji@gmail.com
※料金は日にちによって変動します。
※定員に達し次第、本プランは終了となります。
施設概要
Arcade Hotel
所在地:静岡県富士市吉原2丁目9-26
交通手段:吉原本町駅より徒歩約5分、新富士駅より車で15分、東名富士ICより約5分、新東名新富士ICより10分
施設構成:客室(スイート1室・ダブルルーム2室・ツインルーム2室)、ラウンジ(全禁煙)
営業時間:チェックイン15:00-21:00 / チェックアウト10:00
駐車場:有り 200台 1,000円(税込/泊)※予約不要
問い合せ先(本社)
電話:0545-67-5544
MAIL:arcadehotel.mtfuji@gmail.com
・公式サイト https://arcadehotel.jp/
・公式Instagram https://www.instagram.com/arcadehotel.mtfuji/
運営:富士山まちづくり株式会社 会社概要
静岡県富士市吉原を拠点に、遊休不動産のリノベーション、空き店舗活用、中心市街地活性化調査、公共施設指定管理などを手がける地域密着型のまちづくり会社です。NPO東海道・吉原宿の活動から派生し、創業支援やイベント企画、市民活動センター運営、視察・講師派遣も実施。さらに全国タウンマネージャー協会の事務局を務め、全国のまちづくりプレイヤーと連携しながら地域再生に取り組んでいます。
所在地:静岡県富士市吉原2-11-8
代表者:佐野 荘一
設立:2003年
URL:https://www.yoshiwara.online/
プロデュース:勝亦丸山建築計画
所在地:静岡県富士市吉原2-11-6
代表者:勝亦 優祐
設立:2017年
URL:http://katsumaru-arc.com/