
西伊豆の田舎道
■壮大なスケールの巡礼地
伊豆半島の中心から始まり北上して三島へ向かい、伊豆半島全体を時計回りに巡り最後に修禅寺へ。400kmを超える壮大なスケールの巡礼地。
江戸時代にどうやって札所を制定し、どうやって人々は参拝したのだろうか。コンビニも無ければ、携帯電話も無い時代に、多くの参拝者が江戸から訪れていました。
石碑などの記録はあるものの不思議でならない。
江戸時代からある霊場の共通の魅力は、札所と呼ばれている寺院のつなぐ道が、江戸時代では主要道路として利用されてきた道です。
特に伊豆八十八ヶ所霊場は、遍路道が保存されている訳でもなく、鉄道や国道が整備されて主要道路は別の所を通っています。だいぶ朽ちてしまってた道もありますが、伊豆の札所をつなぐ道を歩いて辿ると、江戸時代の風情を感じる事が出来ます。
■第6回は「奥下田と上原美術館」
下田市の北側に位置する、蓮台寺温泉と稲生沢川(いのうざわがわ)の辺を参拝するコースです。
江戸時代から、西の松崎と東の河津に抜ける道として利用されてきた主要道路となります。
下田は「開国の街」で知られていますが、幕末にペリー艦隊の黒船に乗船し海外渡航を企てた吉田松陰が数日間寄居した場所に立ち寄ります。動乱の幕末を肌で感じることが出来ます。
最後に近代絵画と仏像美術館として有名な上原美術館を拝観。

>約66km(約1時間50分)
(8:30)熱海駅新幹線:東京駅07:26-熱海駅08:10(¥3,740-)
東海道本線:東京駅06:30-熱海駅08:19(¥1,980-)
レンタカーは概ね12時間で1万円程度

>約1.7km(約5分)
(10:20)御朱印「龍巣院」第46番札所米山寺の兼務寺で、米山時の御朱印を頂けます。

>約3.1km(約10分)
(10:45)第46番札所「米山寺」733(天平5)年にこの地を訪れた行基が「寺を建てるのに良い所である」と言ったことから、人々がその意に従い、程なくして寺が建てられたと伝えられています。 本尊の薬師如来も行基の作で、同年10月20日に入仏点眼し安置されたといいます。

>約3.7km(約10分)
(10:55)第45番札所「向陽院」1402(応永9)年に天台宗の阿闍梨が諸国行脚で河内を訪れ、地蔵密庵と号した草庵を結び、虚空蔵菩薩と地蔵菩薩を奉ったことが草創です。

>約3.3km(約10分)
(11:40)第44番札所「廣台寺」かつては桂昌庵という真言宗の小さな庵でした。 1612(慶長17)年4月21日に現在地に移り、曹洞宗に改宗、名も湯谷山廣台寺と改めました。 伊豆横道三十三観音の第十九番札所でもあります。

>約13.3km(約20分)
(12:10)「金目亭」(きんめてい)5月に案内したので、今月は「金目亭」金目鯛水揚げ日本一の下田市魚市場内にて、他店では食べられない金目三色丼を始め豪華な組合長定食まで金目鯛の色々な味をお楽しみ頂けます。
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>約4.2km(約10分)
(13:30)第48番札所「報本寺」1323(元享3)年に富貴野山宝蔵院(第81番札所)に向かっていた真言宗成就院の阿闍梨が、風岩峠付近でこの地が霊地であると感じ、1326(嘉暦元)年3月に婆娑羅山神護寺として開堂しました。 しばらく無住の時期がありましたが、臨済宗として再興しました。

>約2.2km(約5分)
(14:00)第49番札所「太梅寺」1046(寛徳3)年に行脚中の真言宗の僧が、この地に至った際に求めていた霊地だと感じ、人々から浄財を集めお堂を建てました。 明星山満珠寺と名づけ、地蔵尊を本尊として奉りました。 寺院の裏山には寺の鎮守として、稲荷神社が勧請されました。 後に寺名を改めて太梅山深居庵とし、臨済宗に改宗しました。

>約2.1km(約5分)
(14:25)第47番札所「龍門院」1099(康和元)年6月24日、保月嶽頂上の老松に光を放つ仏像が発見され、龍が降臨すると言われていたこの地に庵を建てて安置することとなりました。 当時は真言宗の寺院でしたが次第に衰退し、1593(文禄2)年に太梅寺四世法山宗禅が復興して曹洞宗に改めました。

>約68km(約1時間50分)
(15:00)上原美術館静岡県下田市にある近代絵画と仏像を中心とした美術館です。企画展とコレクションの常設展示しています。
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(17:50)熱海駅
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〇伊豆半島は「車」が便利
伊豆半島の最南端の街である下田に行くには、公共交通機関である電車やバスでも行けますが、伊豆縦貫道が整備されたことで「車」が一番早いです。電車は海岸線に沿っていることと高低差があるのでゆっくり走ります。残念ながら車よりも遅く、南に行くとバスも本数が少ないために、結局は自家用車やレンタカーが機動力もあって便利です。レンタカーもTimesなどが普及しているので、熱海駅から12時間借りても1万円程度なので、2人以上であれば電車よりもリーズナブルです。
■立ち寄りたいイベント

下田 あじさい祭り期間:6/1(日)-6/30(月)
時間:終日
エリア:下田
概要:紫陽花の種類も豊富で、カシワバアジサイ、ウズアジサイ、アナベルなど、和洋約100種の紫陽花を楽しむことができます。
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熱海梅園ほたる鑑賞の夕べ期間:6/1(日)-6/8(日)
時間:19:00-21:00
エリア:熱海
概要:梅園内を流れる初川清流では、5月下旬から6月初旬にかけてゲンジボタルが飛び交い、幻想的な光景を楽しむことができます。
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■伊東園グループに宿泊で記念シールをプレゼント
伊豆半島全域に宿泊施設を19施設展開している伊東園ホテルズ。比較的、リーズナブルに宿泊できる為、何度も訪れるお遍路さんにはやさしい宿泊施設です。

非売品シールをプレゼント
伊東園ホテルズとのコラボで、「伊豆88遍路」の宿泊記念シールを宿泊者に1人1枚無料で配布しています。御朱印帳などの裏表紙などに貼ることができ、空欄に宿泊した日付を入れると参拝した日付が分かります。
■最初は「大切な人の幸せを願う」事で十分

参拝は難しくありません。
お遍路というと難しく思うかもしれませんが、信仰としての一般参拝のひとつの形式です。日常生活では、なかなか、心を静かにして「大切な人の幸せを願う」機会などございません。参拝する事で、他人の幸福と自身の幸福が重なった時、心から癒されることでしょう。
■お遍路の楽しみ方
本場四国のお遍路さんは白装束に笠と杖というイメージですが、もっと気軽に楽しんで頂きたいです。もちろん普段着でも全く問題ありません。
- 恋人同士で結婚前の縁起担ぎ
- 温泉や料理を楽しみながら癒しを求めて
- 子育てが終わったご夫婦がゆっくりと
- 人生の節目に誓いを立てながら
- 定年を機に感謝を込めて
- 先祖や伴侶の供養として
- お孫さんとウォーキング
- 苦行としてのお遍路
要するにお遍路の目的は人それぞれです。移動手段も、歩いて参拝している人は少数で、お遍路ツアーももちろん、自家用車や自転車等様々です。
■専用の納経帳で参拝
一般的に神社では御朱印帳を使いますが、お遍路の場合は既に決まっている寺院を参拝するので、専用の「納経帳」で参拝をします。
手書きで書いて頂ける寺院もありますが、まだまだ参拝者が少ないことやご住職が留守の時もあります。明治時代の各札所のご本尊を書いた版画も発見されていますが、当時もご住職様が留守の対応を工夫をしていたようです。
公式納経帳は、各寺院のご住職様にお願いして書いて頂いたご本尊様を、複写して綴じた貴重な納経帳です。
お遍路中は参拝した証として寺院より「三宝印」を頂くことになりますが、「三宝印」だけであれば寺院関係の方であれば気軽に対応して頂けます。
伊豆88遍路の公式サイトで販売しているので、ご購入してからお遍路をお楽しみください。

「令和の虎」記念御朱印帳

ご住職直々の手書きのご本尊様を複写した用紙
お遍路の通販
■結願は修禅寺
最後の結願の寺は第88番札所の「修禅寺」
歩き遍路はもちろんの事、自家用車であっても八十八ヶ所霊場を結願(全ての札所を参拝)する事は大変な事です。
結願寺である88番札所「修禅寺」では、お祝いの言葉を添えた「結願証」の発行(1,800円)をしています。

結願寺「修禅寺」

結願証
■復興と繁栄を祈願
いわゆる「お砂踏み」と呼ばれている、
疑似体験は全国に幾つもあります。
札所と呼ばれている寺院が出迎えし、
お遍路さんが納経した証として、
納経印を頂けるのが霊場。
江戸時代からある由緒正しい霊場は、
本場四国と愛知の知多半島。
そして関東では伊豆半島にあります。
残念ながら戦後まもなく、
いずれの霊場も衰退しました。
四国は伊予鉄道が復興に貢献し、
年間十五万人以上が参拝しています。
知多は名古屋鉄道が復興に一役買い、
年間五万人以上が参拝しています。
伊豆は残念ながら復興していません。
これから多くの方が参拝する事で
復興する事を願っています。
https://www.youtube.com/watch?v=lQVwXzyMxJ4