富士宮市で、2017年度から学校給食で提供する牛乳を地元富士宮産にする取り組みが進んでいる。
学校給食の牛乳は、静岡県内を25の地域に分け、地域ごとにそれぞれ入札によって決まっている。同市では現在、函南東部農協の牛乳が採用されている。「地元の子に地元の牛乳を飲ませたい」と今回の取り組みが始まった。
同市は県内の生乳生産量の5割を占めている。生乳を牛乳にするためには牛乳プラントが必要で、今まで同市には小規模な牛乳プラントはあったものの大規模な物は無かった。そこで、市内4団体(富士開拓農協・JA富士宮・富士酪農協・いでぼくグループ)が学校給食用牛乳の製造事業に参入する法人を新たに設立し、市内に牛乳プラントを新設する予定。牛乳プラントの投資額は「3億~5億などが一般的だが、規模がまだ読めない」という。
富士宮市産業振興部農政課の植松宏幸さんは「今回は学乳ということの切り口での取り組み。酪農家の廃業が全国的に進んでいる。『学校給食においしい牛乳を』という考えから入っているが、この地域の酪農家を『発展させる・守っていく』という取り組みとして、ぜひ成功するようにサポートしていきたい」と意気込む。
同市内の公立小中学校全校での導入を目指すほか、富士市など近隣の市町にも導入を呼び掛けている。