記録的暖冬が続く富士山では昨年から季節外れの農鳥(のうとり)が観測され続けている。
農鳥は4月下旬から5月中旬にかけて富士山に出現する雪形で、富士吉田など山梨側からの富士山の山肌に現れる。7合目~8合目(標高3000メートル)付近の鳥の形をして観測される。山麓では、農鳥が出るころに種もみを苗間に下ろし、それが卵型になったら田植えをする目安とされていた。1814年ごろに書かれた「隔掻録(かくそうろく)」に農鳥の記述がある。
この時期に観測されることは珍しく、農鳥を鳳凰(ほうおう)になぞらえ「元旦に鳳凰とはおめでたい」と話題になっている。