山梨県富士河口湖町にある有形文化財「岳麓翠苑」が9月30日、一棟貸し宿泊施設として開業する。
岳麓翠苑よると、同施設は約500年の歴史を持つ「井出本家(井出醸造店)」から約200年前に分家し、文化庁登録有形文化財の母屋と、富士河口湖町指定有形文化財の長屋門で構成する。地元では「井出新宅」の名で知られる。
同施設は、近隣にある富士レークホテルの3代目社長で井出新宅6代目当主に当たるというの井出泰済さんが所有している。施設内には、井出家に残された歴史的・文化的作品や富士山にまつわる版画を飾る。
施設改修に当たり、工芸やアートの力で伝統建築物を再生する事業を展開するキュレーションホテル協会代表の澤山乃莉子さんがデザインプロデュースを担当した。
施設内には、三間続きの和室空間や、縁側、日本庭園があり、中の間にはウッドデッキテラスを併設。季節のスイーツや地元銘菓を用意し、お茶を飲みながら庭園を楽しめるようにする。施設内には、リビングダイニング、カウンタテーブル、オープンキッチンを設置する。
このほか、ヒノキの浴室も備え、希望客には、富士レークホテルにある大浴場や貸切風呂をオプションで用意する。寝室は2人定員のベッドルームを3部屋用意。ブラインドや座布団、ベッドスローは地元の素材やメーカーにこだわったという。
料理は、前菜の盛り合わせを用意。日本酒に合う和食、ワインに合う洋食の2種類をオプションで選べ、井出醸造店の日本酒やソムリエが選んだワインも販売する。富士レークホテル運営のベーカリーショップ「パン・ダニエル」が焼き立てパンを提供する朝食オプションも用意し、富士レークホテルのビュッフェ(朝・夕)、フランス料理レストラン「PREMIER」の予約にも対応する。
アクティビティーは、和室エリアでの日本文化体験プランや、富士山ガイドによるオリジナルツアーを用意する。今後は地元の人たちと連携した企画も展開していく予定という。
料金は、一棟貸切=33万円~。定員は6人。企業研修、会合、結婚式などのイベント行事は応相談。予約開始は8月30日から。