富士急グループのフジエクスプレス(東京都港区)は11月、グループ初となる2階建てバスを導入し運行を開始した。
導入路線は新宿から富士急ハイランド、河口湖駅を経由し富士五湖をつなぐ中央高速バス新宿~富士五湖線。
バスは国内で唯一安全基準を満たすスカニア社製。広々とした窓から普段は見ることのできない特別な眺望を楽しめるという2階席は、高さ約3メートルにある。座席数は1階が10席、2階が48席の全58席。
白を基調とし、左右の側面で異なる富士山をデザインした。デザインしたのは今年生誕260周年を迎えた浮世絵師・葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」に描かれた富士山で、正面向かって右側には「甲州犬目峠」の富士山が、正面向かって左側には「武州玉川」の富士山が描かれる。伝統木版技術を継承する彫師・摺師を抱え、江戸当時の浮世絵を再現するアダチ版画研究所(東京都新宿区)の協力で実現した。
富士急行(山梨県富士吉田市)は「新宿の高層ビル群、深い緑に覆われた関東山地の山々、豊かな水をたたえる相模湖、そしてだんだんとその姿を現していく雄大な富士山という風光明媚(めいび)なこの路線の魅力を存分に堪能していただける。デザインには古より日本人が敬い、愛し続けてきた霊峰・富士山の魅力を広く感じていただきたいという思いが込められている」としている。