富士市で現在「富士市いきもの調査」が行われている。
今年3月、生物多様性を将来にわたって保全していくため「生物多様性ふじ戦略」を公表した富士市。「生物多様性への理解の浸透と未来へつなぐ取組みの推進」を2030年度までの目標としている。市環境保全課の後藤さんは「『富士市いきもの調査』は目標達成に向けて重点的に取り組む『重点プロジェクト』として位置付けられているため調査を計画した」と話す。
参加者は市内で調査対象生物の有無を調べ調査シートに記入し、郵送または電子メールで環境保全課に報告する。今年調査の対象となるのは、植物=コウリンカ、セイタカアワダチソウ、クモ・昆虫=コガネグモ、ギンヤンマ、鳥類=ツバメ、サンコウチョウ、爬虫(はちゅう)類=ミシシッピアカミミガメ、両生類=ウシガエル、魚類=メダカ。調査の対象種は3つのグループに分かれ、10年間でローテーションし調査。その結果で生息生育の変化を把握する。
市環境保全課は調査結果を記入する調査シートや報告するために必要な地区の分け方、環境の分け方、調査対象種の写真や説明などを記した「調査ハンドブック」を作製し、食物連鎖や生物多様性に関連することを学習する小学5年生に配布している。同ハンドブックは富士市役所10階環境保全課でも配布するほか、小学生以外の人も広く参加できるように図書館や地区まちづくりセンターにも配布する。市ウェブサイトからもダウンロードできる。
後藤さんは「調査ハンドブックの作製に当たって写真やイラストを大きく掲載し、興味を持ってもらえるような工夫をした。調査種に貴重な生き物や外国から来た生き物以外にも身近な生き物を入れることでより多くの方が参加しやすいように工夫した。富士市には富士山をはじめとする豊かな自然があることで多くの生き物が存在する。この調査を通じて身近な自然や生き物に触れ、生物多様性について考えるきっかけとしていただければ」と話す。「調査の報告が生き物の分布を把握する貴重な資料となるので調査に協力をお願いしたい」とも。
調査期間は10月31日まで、調査報告は11月6日まで。