2023~2024年度出向社員壮行会
同左出向職員による出前講座の様子
株式会社橋本組サイト
株式会社橋本組(所在地:静岡県焼津市本町2-2-1、代表取締役社長:橋本真典)は、経済産業省関東経済産業局(以下、関東局)への社員の派遣を決定しました。当社社員の関東局への出向は2人目で、中小企業における社員の継続的なキャリア開発と女性活躍推進に関する取り組みとなります。今回出向する社員は入社5年目の女性で、2025年4月1日より2年間RESAS(地域経済分析システム)普及活用支援調査員として地方創生のプロジェクトに携わることで、大局的な視野の獲得を目的としています。
出向の目的と狙い
1.経済や産業に関わる環境での社員の成長
関東局は、「国富の拡大」をミッションとして経済産業政策の実施に取り組み、成長産業創出や育成、企業の経営力強化、地域振興やエネルギーの供給に関することなど、経済や産業に関わる幅広い分野を担当しています。関東局での業務を通じて、出向者が高度な知識とスキルを獲得することを期待しています。
2.広範な知見を持ったネットワークの中で社外との連携強化
当社社員が関東局での勤務を通じて政府機関や関連業界と交流を持つことで、広範な知見を得ることができます。これにより当社は、業界の動向に関する理解を深め、将来のビジネスチャンスを生み出す貴重な資源となり、社外との連携強化にも大きな貢献を果たします。
3.地域社会への貢献
出向者は、RESAS(地域経済分析システム)普及活動支援調査員として、本社のある静岡県焼津市以外の地域にも知識を深め、地域振興事業に携わることになります。
当社の経営理念である「確かな品質で社会資本整備の一翼を担い 地域社会の発展に貢献する」の「地域社会の発展」のため、創業の地である焼津以外の日本各地に事業所を展開しています。関東局で培った地域振興に関する知見を活かし、建設業を通じた豊かな社会の実現に寄与できるのではと期待しています。
女性の活躍を支える企業文化と背景
当社は、地域密着型の企業として成長を続ける中で、すでに多くの女性が幅広い分野で活躍しています。2人目の出向となる今回のプログラムにおいても、前回の出向者が成果を上げ、社内外で高く評価された実績を踏まえたものです。関東局への出向が、社員のキャリア形成において大きな役割を果たすと確信しています。
当社では、建設業が抱える人材不足等の問題を解決するため、若手が魅力を感じる職場環境の整備や研修制度の充実を図り、2019年卒学生からの新卒採用を強化しました。その結果、2024年時点で10~20代男性社員は2018年の25人から61人と倍以上に増加し、10~20代女性社員も8人から37人へと大幅に増加しました。また同期間、中途採用も含め毎年30名程度の仲間が増えています。
出向者の選定理由
出向者には、出向先への適応力やリーダーシップの発揮が期待できる人材を選定しました。性別や国籍については一切意識せず、全社員に平等な機会を提供することを重要視しています。年齢に関しては各所との兼ね合いから「若手」を選定し、局内での円滑なコミュニケーションと協力体制が築くことができるよう心掛けました。
2024年度出向職員による出前講座の様子(RESAS 地域経済分析システムの紹介)
株式会社橋本組の概要
橋本組は、静岡県焼津市に本社を構える創業102年の土木・建築事業を中心に各種事業を展開する総合建設会社です。公共・民間建設事業に加え、デベロッパー事業、生コンクリートの製造販売、新しい概念の住宅づくりにも取り組んでおります。
株式会社橋本組本社
[代表取締役]橋本 真典
[所在地]静岡県焼津市本町2丁目2番1号
[創業]大正11年12月
[従業員数]288名(2025年4月時点)
[企業サイト]https://www.hashimotogumi.co.jp/
TEL.054-627-3276(代表) FAX. 054-628-8007
【資料】
建設業界のイメージを一新!株式会社橋本組で実現する、女性が輝く職場
女性活躍×建設業
『女性が活躍できる建設業』を掲る株式会社橋本組はダイバーシティ経営を積極的に推進しています。働きやすい職場環境の整備を進めることで、女性が活躍し続けられる環境を実現しました。さらに、従来の『建設業=男性』、『建設業=工業・建築系学部出身者』という固定観念を排除し、異なる業界や学部出身者を積極的に採用することで、より多様な人材が参画できる環境を整えています。本資料では、その具体的な取り組みと成果についてご紹介いたします。
業界モデルとなる雇用改革の実現
株式会社橋本組(以下橋本組)では、建設業が抱える「高齢化」「人材不足」といった問題を解決するため、2019年卒学生から新卒採用を強化しました。
その際に制定した制度が
・選ばれるための施策 「完全週休二日制の建設業」
・ライフステージに合わせて選択できる働き方
・学部学科、国籍を問わず「適性」や「意欲」を重視した採用
・未経験でも活躍できる新しいOJT研修制度
・主に女性が現場を支える「技術支援部」の新設
以上の女性が活躍できる制度改革を進め、選ばれる建設業となるための取組みを行った成果が出始めています。
当社では、建設業が抱える人材不足等の問題を解決するため、若手が魅力を感じる職場環境の整備や研修制度の充実を図り、2019年卒学生からの新卒採用を強化しました。その結果、2024年時点で10~20代男性社員は2018年の25人から61人と倍以上に増加し、10~20代女性社員も8人から37人へと大幅に増加しました。また同期間、中途採用も含め毎年30名程度を社員として受け入れています。
建設業界における人手不足の現状 ~なぜ、女性の活躍が必要なのか1.~
日本の建設業界では、長期的な人手不足が深刻な課題となっています。国土交通省のデータによると、建設業に従事する労働者の数は年々減少しており、特に若年層の新規参入が減少している一方で、高齢化が進んでいます。例えば、2022年(令和4)時点で建設技能者数の27.5%が60歳以上であり、10年後にはその大半が引退することが見込まれます。
年齢階層別の建設技能者数グラフ
さらに、「建設業=男性中心」という固定観念が依然として根強く、女性の参入が進んでいないことも労働力不足に拍車をかけています。実際、建設業における女性従事者の割合は全体の10%未満である場合が多く、現場作業や管理職への女性の進出は限られています。
出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/)国勢調査結果を基に株式会社橋本組作成
固定概念の壁 ~なぜ、女性の活躍が必要なのか2.~
●「男性中心」「特定学部出身者のみ」の採用基準
これまで建設業界では、「工業高校や建築・土木系学部出身者が必要」という考えが採用の前提としてありました。その結果、多様なバックグラウンドを持つ人材が参入しづらい状況が続きました。また、「現場作業は力仕事が多い」「長時間労働が前提」というイメージが、特に女性や未経験者にとって障壁となっています。これらの固定観念が業界の間口を狭め、人材の多様性を妨げる要因となっています。
●ダイバーシティとジェンダー平等の重要性
こうした状況を受けて、建設業界も変革の必要性に直面しています。近年では、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献が求められる中、ジェンダー平等(目標5)や働きがいのある経済成長(目標8)を実現する取り組みが重要視されています。特に、女性や異業種出身者が活躍することで、業界に新しい視点や価値観が生まれる可能性が注目されています。たとえば、女性の視点が現場の安全管理や顧客対応においてプラスに働くこと、また異業種からの参入者が新しい技術や発想をもたらすことが期待されています。
橋本組の未来に向けた取り組み
●ライフステージに合わせて選択できる多様な働き方の導入
・産休、育休の取得率100%
・本社内に子連れ出社可能な「キッズルーム」を設置
・配偶者出産特別休暇制度
・社内SNSで情報を共有し、復帰後の業務をスムーズに
育児支援や柔軟な働き方の提供により、家庭を持つ人が働きやすい職場を実現しました。
●採用の間口を広げる
・学部学科、国籍を問わず「適性」や「意欲」を重視した採用。
・14カ月をかけてすべての部署を体験する「新入生OJTローテーション研修」を実施
未経験でも働ける仕組みを構築しました。
●主に女性が現場を支える「技術支援部」
・一定のスキルと知識のある社員を組織し、各現場の支援を行う
・現場監督業務のうち、最も人手のかかる書類作成を担当
・ICT技術の導入を検討し、現場で活用
17名の部署員のうち10名が女性を占める当部署では、これまで現場担当者が一人で抱えていた作業を直接、または事務所や本社から遠隔で支援を行い、業務の短縮に貢献しています。
現場と事務所をつなぎ、パソコンやタブレット上で共有しながら書類を作成する
●完全週休二日制の建設会社
2018年に新設した「技術支援部(当時は工務支援課)」が現場への後方支援を継続した結果、休日出勤は36%減少し、振替休日取得率は10%増加しました。現場は天候に左右されるなど不確定事項が多く、やむなく休日出勤をする場合は振替休日取得を行っています。
女性活躍事例 ~自分と制度の力で、性別・経験差の壁を取り払う~
小林 茜音(こばやし あかね)松薫学園 焼津高等学校(情報実務系列)卒業
高校では情報処理に関する科目を専攻し、建築土木以外の学科から建設業の世界に入り、現在工事現場で活躍する入社5年目技術支援部の小林茜音さんを紹介します。
ー現在の仕事内容や具体的な役割を教えてください。
(小林 以下略)「技術支援部 試験施工team」に所属しています。ここではICT関連業務の内製化に取り組んでいます。仕事内容としては、主にICT関連業務の計画~測量~解析までを行っています。現場から依頼があれば、測量に行き土量算出や図面の作成をします。
ーなぜ、建設業である橋本組の採用試験を受けようと思いましたか?
業界を問わず、学生時代に学んでいた事を活かせる事務系の職種に就きたいと思い、何社か見学に行きましたが、その中でも、14カ月の研修内容(OJT研修)や橋本組職員の人柄に惹かれ、一緒に仕事をしていきたいと強く思い採用試験を受けることにしました。
ー未知の建設業界へ飛び込むことに不安はありませんでしたか?
建設業に関する知識が無かったので、正直なところ役に立てるか不安でした。
ーそのような状況から、どのように現場の仕事を学びましたか?
OJT研修の現場研修では、現場担当者について歩き、まずは建設用語や道具の名前を覚えることから始めました。経験豊富な上司や先輩からアドバイスや実務のコツを教えていただき自分の物にできるよう、よく見て真似してました!OJT研修の期間に、努力すれば自分でも現場のサポートができることが分かったので、仕事に対する不安が減りました。現在は、知識の少ない部分に関して、資格の勉強をしながら学んでいます。
ー女性として現場で働く中で感じた困難はなかったですか?
作業員の方は、最初見た目が怖く話しかけづらかったです…
それでも勇気を出してコミュニケーションを取った結果、皆さん優しく笑顔で接してくれるようになり嬉しかったです。
ー性別や経験差の壁を取り払うには、コミュニケーションが鍵となりそうですね。
そうですね。橋本組は同年代の職員が多く、相談できる環境が整っていると個人的に感じます。何事でも相談できる仲間がいるため、いつも助け合っています。
ー現場で働く中で感じたやりがいや達成感などはありましたか?
現場の支援を行うために、一度現場代理人として経験させていただきました。現場管理や書類作成を責任のある立場で行うことで、完成時には言葉では言い表せないほどの達成感を感じることができました。現在では、試験施工teamの一員としてICT施工に関わり、責任のある業務を行えるので日々充実しています。
ー今後、同じように異分野から建設業界を目指す女性に向けてメッセージやアドバイスがあれば教えてください。
建設業は「3K」のイメージがありましたが、そんな事はないです。
女性でも活躍できます。私もまだまだ勉強の毎日ですが、自身のスキルアップのため、また自信を持って業務を行えるよう精進して参りますので一緒に頑張りましょう!
ー最後に、今後、建設業界で挑戦したいことや目標などを教えてください。
橋本組でICT業務の内製化を着実に進めることです。橋本組では昨年度から本格的にICT導入を進めてきました。昨年1年間は勉強する期間を設けていただき、様々な講習を受け知識を身につけてきました。本年度からは、今まで外注していた業務を実際に橋本組で行い、生産性向上や省人化対策に取り組みながら、内製化していき橋本組の技術力アップや、現場負担の軽減を目標に業務に取り組んでいきます。
制度改革の波及効果
2024年度出向職員による出前講座の様子(RESAS 地域経済分析システムの紹介)
橋本組の女性活躍推進は、女性の働きやすさだけでなく、職場全体の改善につながっています。完全週休二日制の導入や技術支援部設置により、社員の休日出勤減少と振替休日取得率の向上、ICT技術を活用した業務効率化も進み、男女を問わず負担軽減が図られています。さらに、多様な人材の参画を促進する制度改革により、未経験者や異業種出身者が安心して働ける体制が整備され、企業全体の人材力が強化されました。
橋本組では現在、30歳以下の社員全体の4割を女性が占めています。その女性たちがライフステージに応じてキャリアを諦めることなく成長できるよう、これまで紹介した取り組みを一層強化し、すべての社員が自分らしいキャリアを描ける環境を整えていきます。