プレスリリース

南アルプスを望む文化拠点<清春芸術村>に「こどものための建築」完成のお知らせ

リリース発行企業:公益財団法人清春白樺美術館財団

情報提供:

 山梨県北杜市の芸術文化施設<清春芸術村>(運営:公益財団法人 清春白樺美術館財団 理事長/吉井仁実)は「こどものための建築プロジェクト」をスタートし、その第1弾として施設内に子供向けの建築をつくり利用を開始しました。この建築は「遊びの塔(tower of play)」と名付けられ、注目の建築家、内田奈緒氏が設計をしています。今まで清春芸術村が力を入れてきた「アート」「建築」に加え、「遊び」の要素がプラスされました。これから迎える本格的なAI時代を前に、芸術文化と「遊び」という側面から、子供たちの感性を育んでいくことが期待されます。




<概要>
・プロジェクト名:「こどものための建築」プロジェクト     
・コンセプト:子供がまず最初に触れる“建築”をつくる。
・目的:AI時代を生きる子供たちが「遊び」「建築」「アート」で感性を磨く。
・背景にある思い:子供たちに小さい頃から「本物の“建築”に触れて欲しい」
 「“建築”という世界があることを知って欲しい」という思いからスタート。
・プロデューサー:吉井仁実(公益財団法人 清春白樺美術館財団 理事長)
・ディレクター:白井良邦(慶應義塾大学SFC 特別招聘教授)
・敷地:清春芸術村(山梨県北杜市長坂町中丸2072)


<清春芸術村 概要>
清春小学校の跡地を活用し1980年に誕生した芸術文化施設。建築家・谷口吉生の設計による<清春白樺美術館>(1983年開館)や<ルオー礼拝堂>(1986年開堂)をはじめ、藤森照信の茶室<徹>(2006年完成)、安藤忠雄の<光の美術館>(2011年開館)、新素材研究所/杉本博司+榊田倫之のゲストハウス<和心>(2018年完成)など、敷地内には名建築が立ち並ぶ。

●住所:山梨県北杜市長坂町中丸2072  
●電話番号:0551-32-4865 
●開館時間:午前10時~午後5時(入館は4時30分まで) 
●休館日:年末年始・月曜日(祝日の場合は翌平日休み)
入館料:一般 1500円 大高生 1000円 小中学生 入場無料
https://www.kiyoharu-art.com/  https://www.instagram.com/kiyoharu.art.colony


<ディレクターズ・コメント>

 これから本格的に到来するAI時代を生きていく子供たちにとって、感性を育むことはとても大切で重要になってきています。では感性はどのようにして磨かれていくものなのでしょうか。その答えのひとつは“遊び”の中にあると言えます。
 今回のプロジェクトは、南アルプスのほど近く、自然豊かな山梨県北杜市にある芸術文化施設からの依頼で始まりました。最初の話し合いのなかで、小さな子供たちにも「本物の“建築”に触れて欲しい」「“建築”という世界があることを知って欲しい」という考えに至り、世界的に著名な建築家、谷口吉生氏や安藤忠雄氏の設計した美術館が建つ敷地内に、新たに子供のための遊びの場を建築家が提供するという「こどものための建築」プロジェクトがスタートしました。
 その第1弾の設計をお願いしたのが注目の建築家のひとり、内田奈緒氏です。内田氏は福井・敦賀の遊具メーカー<ジャクエツ>とコラボレーションし、今までありそうでなかった、子供のための遊ぶことのできる建築をつくりました。ぜひ美術館へ実際に脚を運んでもらい、子供たちに体感して欲しいと願っています。

白井良邦  (「こどものための建築」プロジェクトディレクター/慶應義塾大学SFC特別招聘教授)



<建築家コメント>
遊びの塔 ― tower of play
 昨年清春芸術村を訪れた際、広い芝生にポツンと建つ、小さな塔のような「エッフェル塔の階段」に登らせてもらいました。少し揺れる心許ない階段を空へ向かって登りながら、少しの高さの違いで移り変わっていく情景に心が弾みました。そして、例えば登るといった身体的な行為によって自分の周りに広がる空間を知覚し直すこと、これが幼いときの「遊び」の原点となる感覚なのでは、と考えました。
この清春芸術村に、もう一つ小さな塔を建てるとしたら、その塔がどんなだったら、子どもたちにもその感覚を体験してもらえるでしょうか。少しねじれたネットの床を空に向かって積層させるイメージから、「子供のための建築」のプロジェクトは始まりました。
 ほとんどの建築は、水平と垂直の要素で構成されます。これは私たちが重力の中で安定して身体の平衡を保てるように自然に形式化した在り方ですが、この塔ではむしろ、じっとしているだけでも身体と建築との間のエネルギーのやりとりが意識されるような、そんな体験をして欲しいという想いがありました。
 マルク=アントワーヌ・ロージエが唱えた「原始の小屋」のように、まずは基本的な建築言語である、四本の柱と梁と屋根でプリミティブな塔のフレームをつくり、その中に傾斜した柔らかい床を重ね、階や部屋といった要素を意識しながらも、上に向かって緩やかに連続するような塔の建築をつくりました。この建築の中で、身を委ねる床と、外の景色との関係性を絶えず変化させながら、これからの時代を生きる子どもたちが身体いっぱい遊び、感性を育んでいってくれることを願います。

内田奈緒/建築家 (nao architects office主宰)



<プロフィール>
うちだ・なお 東京生まれ。 2010年より日本デザインセンター・原デザイン研究所にて空間、建築関係のプロジェクトに携わる。2016年、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了。 在学中の2014-2015年にスイス連邦工科大学(ETH)留学。 修了後、デザインオフィス<nendo>に在籍し、国内外でインスタレーションや展覧会の会場構成、建築・家具のデザインを担当。現在は<nao architects office>を主宰し、建築や内装、家具等の設計に従事。また、バーゼルと東京を拠点とする建築設計事務所<an-a-c>共同主宰。日瑞建築文化協会(JSAA)理事。 https://naoarch.jp/  https://www.instagram.com/naoarchitectsoffice/  


<建築概要>
●設計:内田奈緒(nao architects office主宰) 
●設計期間:2023年9月~12月  
●制作期間:2023年12月~2024年3月
●対象年齢:4~12歳 
●高さ(最頂部):5メートル
●施工・設計協力:株式会社ジャクエツ 
●構造監修:本田幾久世(アトリエ194)                                                         



写真を掲載する際は、必ず写真家クレジットの記載をお願いいたします。
◎清春芸術村「遊びの塔」の写真 ⇒ 撮影/筒井義昭
◎内田奈緒氏ポートレイト、ジャクエツ工場内の写真 ⇒ 撮影/足立ゆり

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