損保ジャパン日本興亜(東京都新宿区)は6月1日、「富士山噴火デリバティブ」の販売を開始した。
富士山の噴火に伴って、事業者がかぶる収益減少や費用の損害に備えることができる金融派生商品。気象庁が富士山について噴火警戒レベル3以上または噴火の発生を発表した場合に、事前に定めた一定金額が支払われる。損害保険商品とは違い、損害査定が不要であることから、事前に定めた一定金額が迅速に支払われるため、企業の当座の運転資金としても活用できる。
同商品を開発した背景には、2014年に起こった御嶽山の噴火など、日本各地の火山で噴火が相次いで観測されていることや、火山による物的損害以外の風評被害による観光事業者の収益減少などが起きていることが挙げられる。
広報担当者は「『噴火デリバティブ』は業界初で、第1弾としてユネスコの世界遺産に登録された富士山を対象とした商品を販売する。『噴火発生確率の評価手法』を活用し、今後、当商品の対象火山を順次拡大していく予定」と話す。
契約例は、対象期間1年間で、噴火が観測された場合の受取金額は1億円、オプション料は300万円。