富士市が1月、発表した2021年度版(令和3年)「富士山観測の記録」で、富士山全体が見えた日が162日あったと分かった。
1990(平成2)年から継続的にデータを収集している同市。毎日8時・12時・16時の3回、市庁舎8階から、目視または定点カメラで富士山を観測している。
観測データは、「全体が見えた」「一部が見えた」「全く見えない」の3つに分類。2021年の富士山の全体が見えた日数は、一日のうちでも見える確率の高い8時の観測では年間162日(前年比36日増)で、「全体が見えた」と「一部が見えた」を合わせた日数は年間261日(前年比38日増)だった。
2021年の「全体が見えた」日が多い月は、12月の23日間、11月の21日間、2月の20日間の順。反対に、7月と8月はそれぞれ4日だった。これまでの観測データから、富士山の見える割合は、秋から春にかけては高く、反対に夏は低くなっている。
「全体が見えた」割合が高いのは8時で、午後になるに従い見えにくくなる傾向がある。8時・12時・16時の3回の観測時刻全てで全体が見えた日数は、2021年は67日で、逆に全く見えなかったのは73日だった。
晴天であっても必ずしも富士山が見えるわけではなく、晴天率と見える率は比例しない。平地で晴天でも、周辺の雲や霧によって富士山が見られない場合もあるという。
1月~4月と10月~12月は、晴れた日数と富士山の全体が見えた日数が近いが、5月~9月は平地で晴天でも周辺の雲や霧によって富士山が見られない場合が多かったという。