富士登山専用の無料iOS地図アプリ「富士山(英名=Mt. Fuji)」が6月30日、リリースされた。
2年越しの開山となった富士山で安全に楽しく登山できるようにと、ヤマレコ(長野県松本市)が開発。同社は、全国の山に対応した登山専用アプリ「ヤマレコ」を提供しており、同アプリで培ってきた技術とノウハウを生かし、登山初心者でも利用できる富士登山特化型アプリにしたという。
富士山アプリは、全体地図と4つのルートのほか、富士登山に必要な情報だけをまとめたシンプルな構成。4つのルートから1つを選びスタートでき、従来の登山アプリでは必要だった予定ルートを引く作業は不要で、オフラインで使える地図を追加でダウンロードする必要もない。
登山者が登山を開始すると、各自の歩くペースに合わせて計算した各ポイントへの予測到着時間を知ることができる。ルートミスが多い地点が近づくと、アプリが分岐の手前で分岐が近いことを音声で伝えるほか、間違えた場合は音声と振動と通知で警告して登山者に注意を促す。
富士山を登頂した登山者は、登山中に撮影した写真や地図を選びオリジナルの登頂証明を発行することができる。発行した登山証明はSNSでシェアしたり、画像として保存し楽しむことができる。
新型コロナの影響で山小屋の多くは、混雑を避けるために小屋の予約をするように促しているが、現在、情報にたどり着けなかった登山者が予約をせずに来てしまい宿泊場所に困ることが懸念されているという。富士山アプリでは小屋のリストを表示し、各小屋の詳細画面では電話番号などの情報を表示し注意書きを入れることで、小屋の情報を確認する流れがそのまま予約につながることも期待しているという。各小屋が発信したい情報を掲載することも可能で、地元(山小屋、県、ツアー会社など)の希望があればツアー内容やメニューなどの情報をまとめることもできる。
併せて、富士山に関する情報サイトのリンクなどもまとめている。今後はアクセス、時刻表、装備、歴史など、さまざまな情報を充実させてより安全に楽しく富士登山をできる機能を提供していくという。Android版アプリに関しても今シーズン中に公開予定。言語対応は現在日本語と英語の2種類だが、利用者の状況を見て多国語対応を検討していく。