富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市)に11月、放電検出ユニット「スパーテクト」と「感震ブレーカー」が設置された。
火災全体の約30%を占め、増加傾向にあるという電気火災を未然に防止する目的で設置された同製品。設置は日東工業(愛知県長久手市)と静岡県東部電気工業協同組合が協力し行った。
放電検出ユニット「スパーテクト」は電気火災の主な要因となるトラッキング、ケーブル断線、ショートなどで発生する火花放電を検出し、ブザーとLEDで知らせる機能を持つ。従来の電気火災防止を目的に行われるトラッキング対策は主にコンセントのみを対象としているため、壁内配線や延長コードなどで発生する電気火災につながる要因を検出することができなかったが、同製品は壁内配線など目視が困難なカ所で発生した火花放電を検出することができる。
地震発生時の停電から電気を復旧させるときに発生する復電火災を防ぐことを目的に地震の揺れを感知し電気の供給を遮断する「感震ブレーカー」を設置した。
富士山本宮浅間大社の甲田宮司は「近年、電気が原因と思われる文化財の火災報道が続いており、危機意識を持つようになった。当大社は世界遺産富士山の構成遺産として重要であり、保全・継承するためこのような新しい技術も取り入れていきたい」と話す。