ポニーキャニオン(東京都港区)が手掛けるプロジェクト「日本名作倶楽部(くらぶ)」は6月、郡内織で作られた「手塚治虫誕生90周年記念 郡内織傘(晴雨兼用)」の販売を開始した。
江戸時代から続き、1954(昭和29)年には主力商品を着物の裏地から傘生地に切り替え織物の製造を行う「槙田商店」が製造する同商品。富士山の雪解け水で先染めしたさまざまな種類の糸を織ったジャガード生地で作られる。
郡内織は山梨県の東部、郡内地域で織り出される織物。江戸時代から郡内地域で生産された「甲斐絹(かいき)」をルーツとしており、独特の光沢や風合いで全国に広く流通した。現在は「甲斐絹」の伝統技術「先染め・細番手・高密度」を受け継ぎ、絹やさまざまな素材を使って物作りをしているという。
生地開発に携わる担当者は「絵を描くことよりも先に素材を考える、それから素材に適した柄や色を考えてデザインするので織り生地にしかできない奥行きと質感が美しい柄が可能になる」と話す。
価格は2万2,000円。絵柄は「鉄腕アトム」「リボンの騎士」「ユニコ」各2種類。