富士山科学研究所の研究員上野良平さんが富士山の樹海から酵母を3500株採集し、その中から産業利用できる可能性が高い酵母の特定に成功した。
富士山の裾野は国立公園のため酵母の採集などは許可が必用で、今まで大規模に調査されることは無かった。天然酵母は取り扱いが難しく長期保存に難があるが、今回冷凍しても発酵力を失わない酵母を特定。発酵力の弱まる菓子パンでの試作も成功し産業利用へと計画を進めている。
上野さんは「酵母の中には毒性があるものもあり産業利用できる株を特定するのは難しい。ここ長い間、商品としての新しい酵母は流通していない」と話し、「冷凍でき、糖度の高い菓子パンも発酵させることができる酵母を見つけることができた。富士山で採集した酵母であることを生かして産業化を進めることができれば」と期待を込める。