静岡県富士市の「富士市立博物館」が4月29日、「富士山かぐや姫ミュージアム」としてリニューアルオープンした。

「富士山かぐや姫ミュージアム」外観

　「富士市立博物館」は1981（昭和56）年に開館。2015年5月18日から約1年間、耐震工事を行うため休館していた。今回のリニューアルでは、愛称を「富士山かぐや姫ミュージアム」とし、常設展示を新しくしたほか、隣接する広見公園から直接2階フロアに入館できるようにし、観覧無料にした。

　展示は「富士に生きる」を大テーマに設定。「目玉」となる展示で、富士山へ帰るかぐや姫の物語を紹介する「富士山とかぐや姫」や、「富士川舟運（しゅううん）と渡舟」「富士の災害」のコーナーが新たに加わった。

　現在、オープン記念展「富士のある風景」も開催。富士山を描いた画家・日本画・浮世絵・洋画・写真など、前期と後期合わせて36点を展示する。

　館長の木ノ内さんは「名前の『富士山かぐや姫ミュージアム』は市民から公募した。展示は『富士山に帰る』かぐや姫の物語を全面に打ち出している。富士山の女神は木之花咲耶姫（コノハナサクヤヒメ）だが、その前にかぐや姫を富士山の女神として祭った時代がある。現在忘れられているそのことを、古い文献など系統立てて展示している。富士山に帰るかぐや姫の伝承地は市内に20カ所以上ある。全国的にも知られる『かぐや姫』の話が富士市にゆかりがあることを全国に発信していきたい。ぜひお越しいただければ」と呼び掛ける。

　開館時間は、4月～10月＝9時～17時。11月～3月＝9時～16時30分。月曜休館（祝日の場合は開館し翌日休館）。観覧無料。オープン記念展「富士のある風景」は6月19日まで。