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富士市に動物愛護センター「しっぽのバトン」 犬猫の譲渡や交流の場に

動物愛護センター「しっぽのバトン」

動物愛護センター「しっぽのバトン」

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 「静岡県動物愛護センター『しっぽのバトン』」が11月23日、旧県立富士見学園跡地(富士市大淵)にオープンする。

保護された犬や猫が新しい家族との出会いを待つ

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 静岡県の動物管理指導センターは、設備の老朽化や行き場を失った犬猫の譲渡に向けた長期収容機能の不足が課題となっていた浜松市の施設を閉所し、旧県立富士見学園跡地をリノベーションし機能を移す整備計画を進めてきた。

 新たに開設する同施設は、「動物の命をつなぐための拠点」「普及啓発の拠点」「ボランティアの支援・育成の拠点」「災害時動物対策の拠点」の4つの役割を担い、県民が訪れやすく親しみやすい施設を目指している。整備に当たってはクラウドファンディングで協力を呼びかけ、多くの支援者から寄付が寄せられた。

 新施設の愛称は県民からの公募で決まり、富士市の中学2年生の清(せい)くるみさんの案「しっぽのバトン」が採用された。この愛称には、「たくさんの人たちが力を出し合い、協力して、動物の命がずっと続いて行く」という願いが込められているという。

 施設には、保護された犬や猫の飼育室やトリミングルーム、猫の不妊・去勢手術を行う手術室のほか、新たな迎え主と出合うためのマッチングルーム、広さ約2100平方メートルの足洗い場を備えた屋外ドッグラン(有料)、動物愛護教室や講習会を行う研修ルームなどを設け、保護から譲渡までの流れを一体的に支える環境を整えた。施設運営の一環として施設諸室のネーミングライツパートナーを募集し、ドッグランはコーチョーが「コーチョードッグラン」、ふれあいエリアは日本ペットフードが「ビタワンふれあいエリア」と名付けている。

 静岡県は犬猫の殺処分数を長年にわたり減らしてきたが、完全なゼロには至っていない。同施設は保護と譲渡に加え、県民への動物愛護の普及・啓発の拠点としても位置付ける。一般の利用も可能で、今後は譲渡会や犬のしつけ教室のほか、地域の店が集まるマルシェやイベントの開催も予定している。

 静岡県健康福祉部生活衛生局衛生課動物愛護班の鈴木香菜さんは「静岡県動物愛護センターがオープンする。『人と動物の共生する社会』の実現に向け、当県の動物愛護のシンボルとして、多くの県民に学びの機会や交流の場を提供していきたい」と話す。

 開館時間は9時~16時45分(スペースにより異なる)。年末年始休館。

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