夏山シーズンを前に山岳遭難防止に役立てててもらおうと、静岡、山梨両県は富士山の登山難易度をわかりやすく示す「山のグレーディング」を公表した。その中で、富士山の5つの登山道のランクは、御殿場口=7B、須走口=6B、馬返(吉田口)=6B、富士宮口=5B、スバルライン五合目(河口湖口)=5Bとなった。
難易度は、体力度と技術的難易度の2つから成る。体力度は1~10の10段階評価で、数字が上がるほど体力が必要。技術的難易度はA~Eの5段階評価で、Eが一番難易度が高い。評価は、無雪期・天気良好時のもの。
同指標は、客観的な根拠に基づく登山ルートの評価を提供し、登山者に「自分の力量にあった山選び」をしてもらおうというもの。昨年5月に長野市で開催された「中央日本四県(新潟・山梨・静岡・長野)サミット」において、4県が共同で山岳遭難事故に関する課題に取り組むことに同意した背景がある。
静岡県は、「富士山は日本一高い山のため、高山病の発症や夏でも気候が急変しやすいなど、他の山にはない危険がある。登山道開通期間以外は、気象条件が特に厳しいために遭難事故が発生するリスクが非常に高くなっている。『富士登山における安全確保のためのガイドライン』において、十分な知識やしっかりとした装備、計画などを持った方以外の登山は禁止されている」と注意を呼び掛けける。