2025年12月23日、株式会社TL Genomics(ティーエル ジェノミクス/神奈川県藤沢市、代表取締役:久保知大)は、骨髄移植後の治療経過を評価する「キメリズム検査」において、高感度・低コストを両立した国産診断技術の社会実装を目指す取り組みが、静岡県「ファンドサポート事業」に採択されたことをお知らせします。
本事業では、研究開発段階にあった技術を医療現場で実際に使われる検査へと移行させるため、2026年4月(予定)を目途に静岡県内に体外診断用医薬品(IVD)の製造拠点を新設し、製造販売承認および保険適用を見据えた開発・供給体制を本格化させます。

展示会TECH BEAT Shizuokaにて鈴木康友静岡県知事(左)と意見を交わす久保
骨髄移植は血液がん治療において重要な選択肢である一方、
移植後の再発兆候を高感度に把握できる保険適用検査が国内に存在しないという課題があります。その結果、多くの患者が「再発していないか」という不安を抱えながら、長期の経過観察を続けています。
【骨髄移植の流れとキメリズム検査】
既存の検査法には「特定の条件下でしか使えない」「感度が低く再発の早期発見が難しい」といった課題がありますが、TL Genomicsの新技術は、これらを一挙に解決する強みを持っています。「InDel-dPCR法」は、FISH法では対応できなかった「同性間移植」に対応しつつ、STR-PCR法の弱点であった「感度不足による再発の見落とし」を克服した、次世代の標準となり得る検査法です。
【既存の検査手法と、当社が開発する新規手法の性能・コスト比較】

今回の新技術によって、自宅でいつでも手軽に状態を確認できるPOCT検査も可能になりました。
骨髄移植を経て日常生活を取り戻した患者の中には、関節痛や息切れなど、再発を疑うような不安を感じる場面が少なくありません。一方で、仕事や生活との両立、繰り返し来院する心理的・時間的負担などから、「少し気になる症状があっても、すぐに病院で検査を受けることが難しい」という課題があります。こうした背景から求められているのが、
自宅で、いつでも手軽に状態を確認できるPOCT(Point of Care Testing)検査です。POCT検査は、医療機関への来院を前提とせず、日常生活の中で患者自身が状態を把握できる点に特長があり、骨髄移植後の患者の不安軽減や負担低減に寄与する新たな選択肢です。
TL Genomicsは、大阪大学との共同研究により本技術を開発し、従来法比10倍の検出感度、海外製品比約1/20のコストを実現しました。本事業は2024年に
日本造血・免疫細胞療法学会の支援研究に認定され、臨床研究100症例において臨床的有用性を確認しています(2025年6月)。
※本技術は大阪大学との共同特許(特願2023-182457)に基づく国産診断技術です。

大阪大学 血液腫瘍内科学 准教授 福島健太郎 (本事業のPI)
【これまでの達成】
・本事業が、日本造血・免疫細胞療法学会の
支援研究として認定 (2024年11月~)
・2024年からPMDA相談を実施中
(RS総合相談→全般相談→プロトコル相談予定)
・臨床研究を実施し(100症例)、臨床的有用性
を確認した(2025年6月)
・2025年6月より、研究用試薬としてキメリズム
検査キットを販売開始
今回採択された「
静岡県ファンドサポート事業」は、県認定VCから出資を受けたスタートアップに最大4,000万円を交付する制度です。体外診断薬は大規模工場を必要とせず、高度な知的財産と専門人材によって支えられる産業です。本取り組みが、地域から医療技術を社会に届けるモデルケースとなることを目指します。
今回の「静岡県ファンドサポート事業」採択を契機に、国内初の保険適用を目指す体外診断用医薬品として、製造・承認・供給体制の整備を進め、実用化を本格化させます。
会社名 :株式会社TL Genomics (URL:
https://tlgenomics.com)
代表者 :代表取締役社長 久保 知大
所在地 :神奈川県藤沢市遠藤2020-5 湘南藤沢インキュベーションLABO #3
設 立 :2015年1月
事業内容:骨髄移植に関する検査・診断薬開発
染色体解析による疾病リスク・妊娠力検査の開発・販売 (Myエイジ、MyエイジF)
その他、医療に付帯するサービス
広報担当(瀬川)asegawa@tl-genomics.com