富士宮市の村山浅間神社観光案内所周辺に7月10日、外国人初の富士山登頂者で初代英国公使「ラザフォード・オールコック」の記念碑を建立した。
NPO法人「オールコック卿顕彰会」(静岡県富士市)が設置した同碑は、オールコックの著書「大君の都」の出版150周年を記念して建てられたもの。オールコックの日本滞在記である同書には、富士登山の様子が書かれている。
同会理事長の井出さんによると、1860年、オールコックは愛犬を連れ、神奈川県横浜市から100人ほどの大名行列を成して富士山に向かったという。護衛に守られながら運ばれる形で進んだが、通過点の吉原宿(現富士宮市)では30人ほどに減らし、自らの足で登頂を目指すことに。こうして大宮、村山(現富士宮市)を経て富士登山に成功した。同書にはその時の様子が書かれており、その一節が英語と日本語で記念碑に刻まれている。
記念碑は高さ1.9メートル、幅2.5メートル、厚さ45センチ。富士山をモチーフにしており、向かって左側が夏の夕日に染まる「赤富士」、右側が日中の状態を表した「青富士」をイメージしたカラーリングを施している。石碑上部には夏をイメージした青の「雲」、冬をイメージした白の「雪」をかたどった2種類の屋根が、季節に応じてそれぞれ取り付けられる。井出さんは「英国と日本を結ぶ絆をイメージした。富士山の魅力を世界に広めたオールコックを顕彰したい」と話す。