山梨県立博物館(山梨県笛吹市)常設展示室で現在、次期パスポートデザインに採用された葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」作品を展示している。
「富士は日本一の山」と題し行っている同展示。同館の収蔵品が2019年度に導入される新しい旅券(パスポート)査証欄ページのデザインに採用されるため、一般公開することになった。現在展示しているのは、通称「赤富士」とよばれている「冨嶽三十六景 凱風快晴」など5作品。
同館は「富嶽三十六景」全ての作品を収蔵しており普段は非公開としている。富嶽三十六景を所有する博物館は全国に複数あるが、同館の収蔵品を採用した理由について、外務省領事局旅券課は「専門家の意見、題材である富士山との関係、使用条件などを総合的に勘案した結果、山梨県立博物館に使用許諾をお願いした」と話す。
山梨県立博物館の松田美沙子さんは「パスポートの元になったということで急きょ常設展に出した。保存の面もありめったに出すものではないので、ぜひこの機会にご覧いただければ」と呼び掛ける。
開館時間は9時~17時。火曜・祝日の翌日休館。常設展示観覧料は、一般=510円、大学生210円、小・中・高・特別支援学校の児童・生徒無料。8月22日まで。