富士吉田市で6月3日、農作業の始まりを告げる「農鳥(のうとり)」が観測された。
農鳥は、4月下旬~5月中旬にかけて富士山に出現する、7合目~8合目(標高3000メートル)付近の鳥の形をした残雪。かつては、農鳥が出るころに種もみを苗間に下ろし、それが卵型になったら田植えをする目安としていた。1814年ごろに書かれた「隔掻録(かくそうろく)」に農鳥の記述がある。
同市が2008年~2009年ごろから宣言を始めた。昨年は5月24日に出現している。近年で最も遅く現れたのは2007年で6月15日だった。
同市富士山課担当者によると、「今年の農鳥は、今年2月の大雪の影響からか、例年より力強く、どっしりとした、『いわゆるメタボな体形』」という。