
山梨県富士吉田市で11月22日から、「FUJI TEXTILE WEEK 2025(フジ・テキスタイル・ウイーク)」が開催される。
1000年以上続く織物の産地である同市を舞台に、「糸や布などに着想を得た芸術表現を通じて、テキスタイルの新たな可能性を模索する場」として企画された同イベント。織物産業と現代アートが融合した国内唯一のアートイベントとして2021年に始まり、今回で4回目を迎える。2025年1月には、同イベントの連動企画「FUJI TEXTILE MEETING(フジ・テキスタイル・ミーティング)」が開催され、複数回のフィールドワークも行われた。
今回のテーマは、「織り目に流れるもの」。織物の下層に脈打つ記憶や音、土地の気配といった可視化されないもの、下に潜むものに焦点を当て、織物という表層からその文化背景や歴史の深層を探っていく。アート展のディレクターを南條史生さん、キュレーターを丹原健翔さんが務める。
過去には、大巻伸嗣さんや落合陽一さん、清川あさみさんなど国内外で活躍するアーティストやクリエーター延べ約30組が参加。今回は、相澤安嗣志さん、安野谷昌穂さん、上條陽斗さん、齋藤帆奈さん、柴田まおさん、長谷川彰宏さん、Pieces of Jade(ピーシズ・オブ・ジェイド)、増田拓史さん、松本千里さんの参加が決定している。
会場は、下吉田本町通り周辺を中心に、市内の織物工場や問屋など繊維産業にゆかりのある建物を活用する。期間中はアート展のほか、アート初心者でもまち歩きとともに楽しめるワークショップを予定。デザイナーの山縣良和さんが主宰するファッションを学ぶ学校「coconogacco(ここのがっこう)」やインディペンデント系書店とのコラボレーション企画を展開するほか、県内産のテキスタイル製品を集めたセレクトショップ「Yamanashi Textile Shop(仮)」もオープンする。
同イベント事務局長の八木毅さんは「富士吉田市は、富士山を望む街として知られ、織物産業とともに発展してきた個性豊かな街。その織物を中心テーマに据えた芸術祭は全国でも珍しく、『アーティスト達の作品と融合することで、身近にある布や見慣れた街の景色も新鮮に見えてくるのではないか』と考えている。どなたでも楽しめるような企画も用意しているので足を運んでほしい」と呼びかける。
料金は、前売り=一般 2,000円、学生1,500円、当日券=一般 2,500円、学生2,000円。12月14日まで。