JR御殿場駅(静岡県御殿場市)構内に現在、巨大わらじが展示されている。
巨大わらじは御殿場市内で開催される「わらじ祭り」を記念して大わらじ保存会が毎年作成している。
大わらじ保存会事務局の渡辺達也さんは「わらじまつりは新型コロナウイルス感染症の影響で中止や縮小開催が重なったため、わらじ作りは3年ぶり。今年は多くの人がわらじ作りに参加してくれた」と話す。
渡辺さんによると、高さ3メートル・幅1.2メートルの同わらじの製作には、約200キロのワラを必要とし、製作期間は5月14日から6日間、手伝った人数は延べ120日におよぶという。同事務局の高城計助さんは「富士山登山の安全と、良縁成就を願い行うわらじ祭りは、50年近く続く伝統行事」と話す。
駅構内での大わらじ展示は6月30日まで。8月に行うわらじ祭りでは片足約20人の担ぎ手がわらじを担ぎ練り歩く。9月の閉山時には「おたき上げ」を行う。
渡辺さんは「わらじはかつて、登山者にとって大事な道具で、現地の女性にとっては大事な産業になっていたが、現代ではわらじ作りを担う若手も少なくなってしまった。これからは後継者が課題。今後も行事は残していきたい」と話す。