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日本初の四輪駆動車「くろがね四起」修復 御殿場で一般公開へ

日本内燃機で1937(昭和12)年ごろ撮影されたメーカー記録写真 (提供:景山夙さん)

日本内燃機で1937(昭和12)年ごろ撮影されたメーカー記録写真 (提供:景山夙さん)

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 NPO法人防衛技術博物館を創る会(静岡県御殿場市)は今夏、日本初の国産実用四輪駆動車「くろがね四起(よんき)前期型」の修復を完了し、御殿場高原ホテル「時の栖」(静岡県御殿場市)特設会場で9月25日、一般向けの「お披露目会」を開催する。

修復開始前の「くろがね四起前期型」

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 「くろがね四起」は日本内燃機が開発した車で、正式名は九五式小型乗用車。1935(昭和10)年に日本軍に正式化、以降終戦まで改良を加えられながら生産された。戦後、復興のためにトランクなどに改造されるなどし「使いつぶされ」たため、現存する車両は極めて少ない。

 今回修復したのは前期型で、日本国内に現存が確認されているのはこの1台のみという。後期型は石川県日本自動車博物館にある。

 2014年に前の持ち主である「日工自動車」(京都府京都市)から「修復して走らせること」を条件に譲り受け、クラウドファンディングで資金調達し、2年かけて修復した。日工自動車は日本内燃機の販売代理店だった縁で同車を入手・保管。入手当時同車は走ることができていたがその後故障。以来40年間捨てられずに眠っていたという。

 イベント当日、会場では修復した「くろがね四起」を披露するほか、同年代の他国の技術や設計思想の違いを見比べる企画を実施。同時代のアメリカ・ドイツの軍用小型四輪駆動車も展示する。

 担当者は「完成後は、現在御殿場市に誘致中である国産防衛技術の保存と継承を目的とした『防衛技術博物館』の収蔵品の目玉の一つになる。ぜひとも日本自動車産業史の一つのエポックとなった『くろがね四起』の修復成った雄姿を、一人でも多くの方々に見ていただきたい」と呼び掛ける。

 開催時間は9時~14時30分。入場無料。

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