「雲の上に住む人 富士山須走口七合目の山小屋から」-大陽館での暮らしの記録

本の著者で写真家の山内悠さん

本の著者で写真家の山内悠さん

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 富士山須走口7合目の山小屋「大陽館」での暮らしを綴った「雲の上に住む人 富士山須走口七合目の山小屋から」が7月10日、発売した。著者は、館主の関次廣さんと写真家の山内悠さん。出版社は静山社。

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 「富士山須走口7合目山小屋大陽館で、毎年6月に小屋を開けて10月の終わりに締めて山を下りてくるまでの5カ月間の物語。40年間、富士山で一番長い期間を過ごしてきた小屋の主の関さん、その生活の中でつぶやく『言葉の真意』を、そこで600日間余りを一緒に過ごした写真家の山内悠が、写真と言葉でつづった」と紹介する山内さん。

 「雪の中から始まって、誰もいない富士山の中での暮らしで、その間には2カ月間、大勢の登山者が来る。そんな中、ここがどういう場所であって、何が起きていて、どういう事をそこにいる人が思ったかがこの本にある」とも。

 40年ほど前に山小屋の主となり、自分なりに試行錯誤をしながら小屋を営んできたという関さん。「山小屋とは自然と人間の交差する場所」というところに行き着いたといい、なぜそうなったのかという事をこの本にまとめた。山内さんは、2006年から2009年までの4年間、小屋開きから小屋締めまでを過ごした。その後も山小屋に通っているという。

 2007年にアメリカのマッキンリーのレンジャーが登ってきて、なぜソーラー発電をやっているかということをアメリカでの会議で発表してほしいと言われたのが出版のきっかけ。同山小屋では1989年から富士山で唯一、ソーラー発電に取り組んでいる。発表のために、関さんの話を基に山内さんが論文としてまとめたものが編集者の目に留まり、今回の出版に至った。

 山小屋の今年の営業は終わっているが、山小屋には会議で使ったパネルを掲示している。興味を持ってくれた人には論文も渡すようにできており、ムービーも見ることができる。「見たい人は来年ぜひ見に来てほしい。本当の富士山を見てもらいたくて(関さんは山小屋を)開けている」と山内さん。

 価格は1,600円(税抜)。オンライン書店で扱う。

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